【今日の学び】考えることは人間であることの証である

考えることは人間であることの証である

 他者とのコミュニケーションにおいて、考えなしに発言して失敗した経験のある人は多いと思います。「相手が言いたいことは何か」「本当に必要な発言か」「自分の言葉が周囲にどのような影響を与えるのか」など、その場に応じた妥当な発言をするには、場の空気を読むことも大切ですが(空気を読むにはそれなりの人生経験が必要です)、何よりもまず 考えることが重要です。
 ところが、「考えることが重要だ」と言われても、「では何を考えればよいのか」と疑問に思う人もいます。そのとき最初に考えてほしいことは、「考えるとはいったいどういう行為なのか」「考えるという行為は何を意味しているのか」ということです。分かりやすく言えば、犬や猫は考えません。考えるという行為は人間だけが行う行為です。つまり、考えることは人間であることそのものであり、考えるということは、人間であるという証なのです。偉大な哲学者カントも「考えなければ理性的存在者ではない」と述べています。(ちなみに、勉強することと考えることは異なります。勉強していても、必ずしも考えているとは限りません。受験勉強をしていたときのことを思い出すとよくわかるでしょう。)
 しかし、人間は意外にも、この「考える存在者とはどのような存在者なのか」ということについて、ほとんど考えません。特にインターネットが普及して以降、人は深く考えることなく、簡単にネットで答えを探すようになりました。そして、最近の急速なAIの普及によって、その傾向はさらに強まっているように感じます。しかし、考えることを手放すということは、人間であることを手放すことと同じです。AIが身近なものとして普及しつつある今だからこそ、私たちは「自分は何者なのか」「考える存在者であるとはどういうことなのか」を改めて考え、強く認識する必要があるのだと思います。
 最初の話に戻ります。とにかく、毎日考えること。普段考えていない人間が、他者とのコミュニケーションのときだけ急に妥当な考えを持てるはずがありません。まずは、自分が考える存在者であると認識したうえで、小さなこと、身近なこと、日常のことから考えることを始めてみてください。

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