【今日の学び】映画の世界と活字の世界

映画の世界と活字の世界

 映画といえば一般的には娯楽の印象が強いものの、実際は極めて奥深い表現媒体です。監督が作品に込めたメッセージ、人間の微妙な心理や本性を見事に描写した俳優の演技はもちろんのこと、作品を支える歴史や文化的背景、当時の人々の生活、様々な音の演出など、実に多くの要素が、わずか2時間という凝縮された時間の中に巧みに表現されています。見方を変えれば、映画はまさに学びの宝庫です。敢えて難を挙げるなら、制作には莫大な費用と時間を要することぐらいです。
 では、活字はどうでしょうか。活字は紙という平面上の媒体に表現されたものです。しかし、活字は、その平面上に、芸術・文化・学問にわたり、あらゆるものを表現することができます。しかも映画と異なり、必要なものは紙とペンのみです。本物の作家は、活字を通して読者を美しい音の世界や深淵なる学問の世界、ときには広大な宇宙空間へと連れ出し、深い思索の旅へと導いてくれます。
 ところが現代社会では、そのような本物の作家や作品に出合う機会が少なくなりました。経済社会では、企業は利益を追求し、出版業界も例外ではありません。本を出版する際に重要視されるのは、「人々に伝えるべき内容」ではなく、「売れるかどうか」「人が興味を持つかどうか」です。そして多くの人は、そのような本を好んで読みます。しかし残念ながら、そのような本質不在の本からは、私たちにとって真に大切なものを得ることはできません。
 他方、本質が内包された本物の作品は、時代や国境を越えて人間の心の奥深くに響き、人生に良い影響を与えてくれます。忙しい日々を過ごしていると、ゆっくり本を読む時間はなかなか取れないかもしれません。それでも、たまの休日には喧騒から離れ、昼間に一人で好きな映画を鑑賞し、そして夜には、詩や哲学書など古典と呼ばれる本と静かに向き合い、活字の世界に身を委ねてみてください。忘れていた大切な気づきを得られるはずです。

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