- 日本の現代法のルーツを探る
現代の日本の法律には、明治維新以降、西洋の思想が取り入れられてきたことは周知の事実ですが、さらに、その源流はというと、紀元前のエジプト文明が栄えた時代、ユダヤの民の歴史にまで遡ります。
エジプト文明では、宮殿やピラミッド建設などに見られる高度な測量技術・土木技術が発達していました(これらは現代の測量技術・土木技術の基盤にもなっています)。そして、実際の建築現場で働かされていたのが、エジプトで奴隷として扱われていたユダヤの民です。彼らは、ゴシャンというところに住まわされ、過酷な肉体労働を強いられていました。
このユダヤの民を救った人物がモーセです。モーセは、幼少期、エジプト王家の人間として育てられましたが、後にユダヤ人であることが発覚し、一度はエジプトを追放されます。その後、モーセは再びエジプトに戻り、ユダヤの民を奴隷状態から解放しました。
奴隷からは解放されましたが、それからまた試練が続きます。モーセとユダヤの民を連れていろいろと旅をし、途中、シナイ山の麓に到着しました。モーセは民を麓に残し、一人で山へ登りました。しかし、麓で暮らしながらモーセを待つ間に、民の中には盗みなどの悪事に手を染める者も現れました。奴隷から解放された直後は神への感謝に満ちていたものの、時間が経つにつれ、中には悪いことをする人間も出てきたのです。
このとき、モーセがシナイ山で授かったのがモーセの十戒です。神は、人々に悪いことを実際に経験させた上で、モーセに十戒を授けたと言われています。そして、この十戒こそが、後にヨーロッパ諸国の法律の基盤になり、アメリカにも渡ったのです(ルイジアナ州はフランス法、その他はイギリス法を継受しています)。つまり、西洋文明社会の法律を取り入れた日本の法律の基盤もまた、モーセの十戒から来ていると言えます。
モーセの十戒は、人間が人間として正しく生きるための戒めであり、道標です。どのような理由があっても、人を殺めたり、盗んだりしてはならないという戒めは、時代や文化を超えて共有されるべきものです。しかし残念ながら、現代においてもなお、世界各地でこれらに反する悲惨な出来事が後を絶ちません。だからこそ、私たちは歴史に学び、法が何のために存在するのか、その意味を考え続ける必要があるのだと思います。
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