- 2種類の本
本と人間の歴史は、切っても切り離すことができません。世の中には数え切れないほど多くの本が存在しますが、良書は常に人を正しい方向へ導いてくれます。
本には大きく分けて二種類あります。
一つは、出版社がマーケットから入る本です。人々の関心や流行を出発点とし、売ることを目的に企画される本です。
もう一つは、著者の使命から生まれる本です。著者が世の中のため、人々の幸福を願い、どうしても伝えなければならないという思いから書かれた本です。
多くの出版社は、世間の関心や流行、競合他社の動向などを調査し、売れそうなテーマを企画します。
例えば転職ブームであれば、「転職に役立つ五つの資格」「失敗しない転職」など、人々の興味や関心を引く企画を立てます。そして、その企画に適した著者へ執筆を依頼します。
一方で、著者の使命から生まれる本は、売れるかどうかが出発点ではありません。著者自らの人生経験や思索を通して、人々へ伝えなければならない内容を書き残したものです。
このような本を出版することは決して容易ではありません。それでも著者は、自らが到達した真理や本質を後世へ伝えるために筆を執ります。
もちろん、これ以外にもさまざまな種類の本があります。分かりやすい例として、大学教授が執筆した本があります。それらは教科書として学生が購入することが見込まれているため、出版費用の回収の見通しが立ちやすく、多くは著者側の依頼によって研究費などを用いて出版されます。
話を元に戻します。
世の中には無数の本がありますが、時代を超えて読み継がれる本には、それだけの理由があります。そこには、時代を超越した本質的なメッセージが込められているからです。
ドイツの偉大な哲学者・ニーチェの代表作『ツァラトゥストラはかく語りき』は、自費出版であったといわれています。また、出版当初はほとんど読まれず、生前のニーチェは十分な評価を受けることがありませんでした。それでもなお、彼は人間とは何か、人はいかに生きるべきかについて深い思索を重ね、著書を著し続けました。
だからこそ、本を選ぶ際には、単に売れているかどうかや、一時的な関心や興味だけで判断するのではなく、その本が何を伝えようとしているのかを見極めることが大切です。
もし、そのような一冊に出会うことができたならば、その本は人生の指針となり、一生の宝物となるでしょう。
「今日の学び」に記す内容は、すべて生井利幸先生より日々賜る学術講義に基づき、弟子の私、竹内差世がまとめております。
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