- マフィア映画から学ぶ人間の本性2――人間は恩を仇で返す
マフィアの世界は決して特別な世界ではありません。むしろ人間社会そのもの、人間のつくる組織の縮図ともいえるものです。
ある映画では、少年の頃から身近な存在であったマフィアに憧れ、自らもマフィアとなった一人の青年の生涯が描かれています。彼はその真っすぐな性格からボスに息子のように可愛がられ、やがて組織の中で重要な役割を担うようになります。ところが、彼はボスから固く禁じられていたことに手を出し、その結果、破門されてしまいます。そして最後には、自分が助かるために、それまで世話になったボスや仲間を裏切るのです。
そう、彼は二度にわたってボスを裏切りました。一度目はお金のために。二度目は自分の身を守るために。
人は、いざという時に急に変わるものです。これは時代や民族、文化の違いを超えて共通する人間の本性(ほんせい)にほかなりません。
例えば、ある会社が事業に失敗し、10億円の負債を抱えたとします。社員は100人。皆、長年にわたり社長に世話になってきました。一人が1,000万円ずつ出せば、会社はその危機を乗り越えることができます。では、いったい何人の社員が1,000万円を出すのでしょう。おそらく、ほとんど誰も出さないでしょう。そして、多くの人が別の会社へ転職していきます。昨日まで「この会社で一生働く」「社長にずっとついて行く」と言っていた人であってもです。
なぜなら、1,000万円を支払ったとしても、それが返ってくる保証はないからです。また、会社の経営が危機を脱し、これまで通りの給与が得られる保証もありません。
ある意味では当然の判断です。社員にもまた、それぞれの生活があるからです。普段どれほど美しい言葉を語ったとしても、人は状況が変わると急に変わります。
人間は恩を仇で返す存在者である。
人を束ねるときも、愛を実行するときも、この現実を理解した上で行動するのとそうでないのとでは、行動の質は大きく異なります。
「今日の学び」に記す内容は、すべて生井利幸先生より日々賜る学術講義に基づき、弟子の私、竹内差世がまとめております。
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