音で経験する、生井利幸先生の哲学(哲学するための哲学)
生井利幸先生は、哲学者であり作家ですが、ご自身の哲学を美しい活字として表現されるだけでなく、世界共通言語である英語で学術講義を行われます。また、講義を行われるに際し、何ら参照されることはありません。講義内容が本質的な内容であることはもちろんのこと、講義の中で使用される英語表現、イントネーション、間の取り方、声の抑揚、パフォーマンスなどすべてが格調高く、講義そのものがまさに総合芸術なのです。以下では、そのほんの一部をご紹介していきます。英語音声講義を聴き込むことにより、生井先生の哲学の中に入り、深い思索を試みてください。きっと大切な何かが見えてきます。
※英語音声講義を聴講する際は、静かな場所で心を落ち着かせて(可能なら部屋の電気を消して)聴講することを推奨します。
compatibility and incompatibility

【講義概要】
自分の中にオーガナイズされた哲学を築くために必要となる二つの重要な概念、compatibility(融合性)とincompatibility(非融合性)があります。
人は無意識のうちに心の中に自分を守るための要塞をつくりますが、それは必要なものを受け取ることを妨げます。哲学的になるためには、まずその要塞から自身を解放し、その上で、受け取った哲学的断片を自分自身の中心核に融合させる必要があります。
compatibility and incompatibility(英語音声講義)
⇒講義内容(英語)※参考、英語音声講義と完全一致はしません。
As for you to be philosophical there are so many theories and of course concepts and ideas necessary surely necessary for your philosophy you wish to organize and surely build under the auspices of my philosophical instruction.
There are the two critical. There are two critical concepts. The one is the concept of compatibility. The other is the concept of incompatibility. What is the meaning of that compatible and incompatible? This is a quite matter of fusion.
Every day, momentarily you have so many chances to face necessary things and unnecessary things. Of course, you need self-judgment whether you receive those or not. Usually, human beings cannot have proper judgment whether they receive those or not.
Compatibility, the concept of the compatibility shall be flexible. Why? Because usually in the sphere of human mentality there is the fortress invulnerable.
Simply speaking, talking of human heart there are two parts in it. The one is the outer part of heart. The other is the inner part of heart. Talking of outer part of heart, you are unconsciously using outer part of heart to communicate with people socially. Then talking of inner part of heart you are using the inner part of heart as the matter of private talking to a few you treat as important individuals. You are usually using inner part of your heart to be sentimental, very much passionate, emotional. Usually you do not have such consciousness. You are using outer part of heart or inner part of heart very much unconsciously. You have yourself decision. You choose the one out of two alternatives mentally.
To be philosophical under the auspices of my philosophical instruction you need self-mechanism. You should not have any of invulnerable fortress in inner part of your heart. If you do not have any fortress in it, directly you shall have your fusion of the two, of course yourself and those you need to be philosophical, those for you to be intellectual philosophically.
Unfortunately, most of the people do not know this mechanism. Unconsciously you have their invulnerable fortress. Why people have invulnerable fortress in their heart? Because they need to protect their ego especially self-centered ego.
I’d like you to free yourself from invulnerable fortress yourself. To be a philosopher yourself you should not have any fortress especially in the core of your existence. It is prerequisite for you to be philosophical. Do not reject anything. You should have yourself determination. You should have yourself will philosophically organized. Talking of your first stage, you need to ready to receive anything. It is a matter of philosophical fusion. You and those pieces really need to fuse each other. This is the way for you to have little by little philosophical pieces.
In your case you need to receive and infuse. You need to receive and realize what is called compatibility of the two, your existence and those you need to be philosophical. Otherwise, you cannot build anything. What you need to do free yourself. I’d like you to free yourself from fortress. You need to have very much free self-preparation to have, I say once again, philosophical fusion of the two, your consciousness and those you need. In your case this guides you to be smooth enough to realize transubstantiation philosophically.
If you wish to pursue and reach the ultimate in human intellectuality, you need it. You need such stage not to have any invulnerable fortress yourself. Incompatibility guides you to have no possibility to be philosophical.
It is not a matter of knowledge. Those people wish to have knowledge superficially do not understand what I am talking about the importance of the concept of compatibility with what they need.
There is no end in experiencing so. You need to continue experiencing the ideal of compatibility surely adinfinitum to be philosophical.
The lecture is finished now.
⇒講義内容(日本語)
融合性と非融合性
私の下で哲学的になり、自分の中にオーガナイズされた哲学を築きたいと願うなら、実に多くの理論や概念、そして理念が必要になります。
特に重要な2つの概念があります。一つは、融合性(compatibility)の概念、もう一つは、非融合性(incompatibility)の概念です。これらは、融合という問題に関わっています。
人間は、日々、瞬間的に、実に多くの必要なものと不必要なものに直面し、それらを受け入れるべきかどうかを自ら判断しなければなりません。しかし、多くの場合、人間はその判断を適切に行うことができません。
融合性という概念は柔軟であるべきですが、大抵、人間の心の中には、“難攻不落の要塞”があるからです。
簡潔に述べると、人間の心には二つの領域があります。一つは心の外側、もう一つ心の内側です。心の外側は、社会的な対人関係において無意識に使っています。心の内側は、プライベートマターとして、限られた大切な相手との会話に使っています。通常、感傷的になったり、情熱的になったり、感情的になったりするときに心の内側を使っています。人間は、無意識に心の外側と心の内側を使い分けています。
哲学的になるためには、心の内側に“難攻不落の要塞”を持ってはいけません。その要塞を取り払うことができれば、あなた自身と、哲学的に知性的になるために必要なものとの間に、直接的な融合が起こります。
残念ながら、多くの人はこの仕組みを知りません。無意識のうちに要塞を築いています。なぜ人は要塞を持つのでしょうか。それは、自我、特に自己中心的な自我を守ろうとするからです。
自分自身を要塞から解放してください。哲学者であろうとするなら、とりわけ自分の存在の中心核に要塞を持ってはいけません。それは前提条件です。何も拒絶してはいけません。哲学的にオーガナイズされた自らの意思決定が必要です。まずは何でも受け取る準備を整える必要があります。それが哲学的な融合になります。自分自身と受け取ったものとの融合が必要です。これこそが、少しずつ、哲学的断片を自分の中に取り込むための方法です。
あなたの場合、受け取って注入する必要があります。自分の存在と哲学的になるために必要なものとの融合を実現する必要があります。そうでなければ、何も築くことはできません。まず必要なのは、自分自身を解放することです。要塞から自身を解放し、何でも受け入れるための準備を整えることです。そうすることで、スムーズに自分の意識と必要なものとの哲学的融合が起こります。
人間の知性の究極を目指すなら、自分の中に何の要塞も持たないというステージが必要です。非融合性は、哲学的になることを不可能にします。
知識は重要ではありません。表面的に知識を求めるだけの人々には、私が述べる融合性の概念の重要性は理解できません。それは彼らにとって必要なものではありますが。
この経験には終わりはありません。哲学的になるために、融合性の理念を永遠に経験し続ける必要があります。
以上で講義を終わります。
命をはって生きるのではなく、「命を生きる」 (英語音声講義)
【概要】
人は、命と時間を授かりました。一般的に、それらは別々のものとして扱われますが、それらは同じものです。命とは時間であり、時間とは命です。あと何年生きられるのかは誰にも分かりません。だからこそ、毎日、自分の命を使うことを楽しんでください。毎日、自分の時間を使うことを楽しんでください。いつこの地球に別れを告げる日が来るのかは、誰にもわかりません。ただ、「今、生きている」という事実だけは、誰にも否定できません。
何としてでも成し遂げようと決めている活動があり、命をはって生きることは美しいことです。多くの人はそれで十分と言うでしょう。しかし、より高いステージに立ち、命の意味と重要性を深めてください。行動は、まさに自分の「命の鏡」です。命をはって行動するのではなく、行動そのものを命(人生)の目的として行ってください。そうすれば、行動そのものが、残りの人生で自分が実現したいことそのものになります。成功か失敗かという結果を気にする必要はありません。大切なことは、過去がどうであったか、未来がどうなるかではなく、「今をどう生きるか」「今という時間をどう使っているか」という、「生の質」です。
自分で決意したことを実行すれば、後悔することはありません。ベストを尽くせばよいのです。それが人生です。そして、後悔しない生きかたこそ、美しく、知的な生き方です。それは、将来、理性的になる道へとつながります。深く考え、決意して生きるならば、自分自身の中に、ある種の理性性と合理性を見いだすでしょう。
【考えるヒント】
命は、日々の生活の中にあります。日常生活の質が命の質そのものです。
毎日を、今の一秒一秒をどのように刻むかで、自分の生の質が変わります。

「善の概念と悪の概念」を哲学する (英語音声講義)
【考えるヒント】
良識的かそうでないか。人は同じ出来事を前にしても、個々人の価値観によって異なる解釈をします。だからこそ、道徳的に生きたいと願うなら、善悪の価値観を考える必要があります。そのためには、日常で経験する出来事が良識的なのか、あるいはそうでないかについて十分に繊細であることが求められます。そうすることで初めて、善悪の概念を哲学する本当のスタートラインに立つことができます。
ものごとをただ観察するだけではなく、真剣に向き合い、深く哲学する必要があります。善悪の概念を明確に定義することは容易ではありません。一生かけて追及していくべき問題です。
最後に、美しく生きることはよいことですが、自分の行いを美化したり、自己陶酔に陥ったりしないよう注意を払いましょう。

哲学的観点から捉える歴史について (英語音声講義)
【考えるヒント】
人間社会に生きる限り、誰もが歴史と向き合っています。そして、歴史の意味を考えることはすべての人間にとって重要なことです。本講義では、まず個々人の歴史(経験)を振り返り、それが成功と失敗の2つから成り立っていることを認識したうえで、人類の歴史の本質に迫ります。人類は成功よりもむしろ多くの失敗を繰り返して進歩してきたのだと。そして最後に、記述に残された歴史だけでなく、記述に残っていない歴史にも目を向ける必要があると、歴史の本質を見抜く鋭い洞察力を養う必要があると教授されます。

“Who you are” (英語音声講義)
【考えるヒント】
毎日、生活するために、老後の年金を受け取るために働いていないでしょうか。本講義では、人間存在の本質を問う3つの根本的な問いについて考えることにより、そうした目先の目的に支配されるのではなく、地球に存する一個の人間として、生きる目的、進むべき本質的な道を見出す重要性が説かれています。

物事を咀嚼する能力を養う part 1(英語音声講義)
【考えるヒント】
「考えなさい」「考えることが重要」という言葉は、誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、生井先生は、考える前に感じることが大切であると、ロマンティックになる必要があると教授されます。そして、沢山感じたその後に、感じた経験の中から重要なことを抜き出して考えるのだと言われます。

物事を咀嚼する能力を養う part 2(英語音声講義)
【考えるヒント】
本講義の中に自分の身を置いて、論理性や理性性から離れ、原始的な一人の人間として、地球上の自然現象を感じてみてください。そうすることで、大切なことを感じて考えて、咀嚼するスタートラインに立つことができると、そして、将来、内面から知性的に、さらには、理性的に美しく輝くことができると教授されます。

物事を咀嚼する能力を養う part 3(英語音声講義)
【考えるヒント】
本講義は、「物事を咀嚼する能力を養う」を主題として連続して講じられた講義の最後の part になります。本質と真理探究の道を歩み、本質的なものを生み出すためには、物事を咀嚼することが基本の中の基本であると教授されます。そのためには、物事を感じて想像して考えるだけではなく、常に、それらを楽しみながらよく噛み、美味しく味わうことが、そのプロセスこそが大切であると言われます。

「主観性の概念と客観性の概念」を哲学する(英語音声講義)
【考えるヒント】
物事を正しく判断するためには、客観的に物事を捉える必要があります。本講義では、主観性の概念と客観性の概念について講じたうえで、さらに、自分が客観的と思っていることが、見るところから見ると主観的であると教授されます。この考え方を基に、普段の自身の思考を振り返ると、より広い視野で物事を捉えられるのではないでしょうか。

「放棄の概念」を哲学する(英語音声講義)
【考えるヒント】
本講義では、放棄の意味や重要性について、失うこととの違いや、権利を選択することの具体例などを通じて、分かりやすく講じられています。放棄には理性的判断を伴い、放棄とは、一種の自己裁量による意思決定であると、そして、放棄することによって本当に必要なものを手に入れることができると教授されます。技術が先行し物や情報が溢れる時代において、私たちには、人間としての原点に立ち返り、理性的に考え、不要なものを捨てることこそが求められるのだと思います。

「法と理念」part 1(英語音声講義)
【考えるヒント】
法(law)と理念(ideal)の間には何があるのでしょうか。法は、私たち人間が、人間社会の中で生きていくために必要なものであると、その一方で、法を必要とすることは決して素晴らしいことではなく、恥ずべきことであると言われます。本講義では人間の持つネガティブな側面に触れ、法が必要な理由が講じられています。

「法と理念」part 2(英語音声講義)
【考えるヒント】
本講義は、「法と理念」part 1 の続きとして講じられた講義です。理想の理念は、人間の文明社会においてどのような法をも超越すると言われます。人間存在の本質に迫りながら、一人の人間として、どのようにして善く生きるべきなのか、どのようにして自分自身の生に意味を成すべきなのかが講じられています。そして、その答えは、自ら考えていく必要があります。

「真理の概念」と「本質の概念」を哲学する(英語音声講義)
【考えるヒント】
学問は、人文諸科学、社会諸科学、自然諸科学の3つの分野に分類され、それらすべての学問の基礎は哲学であり、それ故、哲学の勉強は必要不可欠であると教授されます。また、すべての学問において共通して向き合うものが、本質(essence)と真理(truth)の追究であると言われます。本講義では、混同しがちなそれら2つの概念がわかり易く講じられており、それぞれの概念を心の奥深くで感じとることができます。さらには、講義を通して、学問とは一体何であるかを自分なりに思索を試みると、さらに深い世界へ行くことができます。

時間の観念(英語音声講義)
【考えるヒント】
時間とは何であるのか、時間は自分で手に入れたものなのか、それとも・・・。生井先生は、時間は命の次に大切なものであると、今向き合っている1秒の積み重ねが人生であると教授されます。これらをヒントに聴き込むと、講義序盤の意味も含めて感じ取ることができ、深い思索の世界を満喫することができるに違いありません。

点の思考・線の思考・空間の思考(英語音声講義)
【考えるヒント】
本講義では、人間の思考には、点の思考、線の思考、空間の思考という3つの思考があり、必要なのは空間の思考であると、そして、それを他者の幸せのための行動につなげる必要があると言われています。ただ残念なことに、多くの人が点の思考にとどまっているとも。ぜひ、本講義を聴き込み、自身の思考の空間を広げ、深い思索を試みてみてください。
