【今日の学び】書くことの重要性

書くことの重要性

 パソコンやタブレットが普及して以来、紙に書く機会はめっきり減ったように感じます。 しかし、書くという行為は、人間にとって極めて大切な行為です。
 一つは、教授者や書籍から学んだ内容をメモし、その後、時間をかけて咀嚼しながら自分なりにノートにまとめることです。そうすることで学んだことが整理され、確かな理解として自分の中に定着します。逆に、書かずに「聞きっぱなし」「読みっぱなし」で終えてしまえば、学んだことは何ら自分の中に残りません。
 もう一つは、思考して自分の中に浮かんだ考えを書き留めることです。人間の脳の中は、小宇宙のように回り続けていて、一度通り過ぎた考えは戻ってきません。そのため、後で思い出すためには、思いついた瞬間にメモとして残しておく必要があります。
 メモといえば、アインシュタイン博士がよく知られています。ドイツ系ユダヤ人であった博士は、さまざまな大学から招聘され、晩年はアメリカ・ニュージャージー州にある、美しい森の緑に囲まれたプリンストン大学で研究生活を送りました。その研究室は膨大なメモで埋め尽くされていたと言われています。博士は、前述の脳の動きを理解していたからこそ、思いついた瞬間に書き留めていったのだと思います。
 また、博士といえば、舌を出した有名な写真があります。あの表情は、年齢を重ねても子供のような純粋さを失わなかったことの表れです。実際に博士に会った人は、彼を「子供のような人だった」と言っています。人は大人になるにつれ、固定観念やしがらみに縛られがちですが、柔軟な思考にそれらは不要であり、むしろ妨げになります。博士が自由な発想を持ち続け、膨大なメモを残したのは、純粋な心で思考の柔軟性を失わなかったからでしょう。
 昨今、電車に乗っても街を歩いても、スマートフォンを見ていない人を探す方が難しいほど、画面に目を落とす人でいっぱいです。しかし、スマートフォンから得られる情報の多くは、私たちの思考を深めるものではありません。時にはスマートフォンから離れて、子供に返り、ペンとノートを手にして思考を巡らせてみると、忘れていた大切なことに気づけるのだと思います。

⇒過去の「今日の学び」はこちら

目次