- 咄嗟の行動にその人の本当が表れる
人は普段どれほど立派なことを言っていても、どれほど他人に親切に振る舞っていても、予期せぬ出来事に直面した際の咄嗟の言動にこそ、その人の本当が表れるものです。それは年齢に関係ありません。
バイク好きの高校生・鈴木君の体験です。彼は学校にバイク雑誌を持っていき、教室で友人たちと見ていました。ところが運悪く担任の先生に見つかってしまいます。学校ではそのような雑誌の持ち込みが禁止されているため、先生は雑誌を手にしていた田中君に向かって「誰だ、こんなものを持ってきたのは。田中、お前か」と言いました。田中君は「はい。僕です。すみません」と答えます。隣にいた鈴木君は直ぐに「持ってきたのは田中君ではなく僕です。僕が皆を誘いました」と名乗り出ました。
次に、ある会社の女性社員・佐藤さんの経験です。佐藤さんは部長の指示に従ってプレゼン資料を作成し、部長の確認を経て役員へ説明に行きました。しかし結果は散々で、一から作り直すことになります。そのとき部長は「私もこれではだめだと思ったのですが・・・、今度は私の方でしっかり詳細まで指示します」と言いました。佐藤さんは心の中で「えっ?」と思いましたが、何も言いませんでした。
最初の高校生たちと、二番目の部長の言動。どちらが人として誠実であるかは明らかでしょう。
この高校生のように、咄嗟の場面で逃げずに行動できる人は、電車の中で人が倒れたり、川で子供が溺れたりといった緊急の場面でも、ためらわず行動できることが多いものです。逆に、いざというときに責任を回避し自己保身に走る人は、同じ場面で気づいても躊躇して行動に移せないこともあるでしょう。
先日、電車の中で隣に立っていた女性が突然座り込みました。「大丈夫ですか」と声を掛けましたが、彼女は「大丈夫です。ありがとうございます」と答え、しばらくして立ち上がり電車を降りていきました。周囲にはたくさん人がいましたが、気に留める人はほとんどいませんでした。多くの人がスマートフォンを見て、何事もなかったかのように過ごしていたのです。
皆さんならどうするでしょうか。
ここで大切なのは、他人のことではなく「自分の真実」を知ることです。人は何が正しく、何が正しくないかを心の奥では分かっています。自分の真実と正面から向き合い、自分がどのような人間でありたいかを考え、自分の過去の言動を振り返り、間違っていたと思えば正せばいい。それができるかどうかで、その後の人生は大きく変わります。結局のところ、どのような人生を歩むかは、自分自身が決めているのです。
「今日の学び」に記す内容は、すべて生井利幸先生より日々賜る学術講義に基づき、弟子の私、竹内差世がまとめております。
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